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幸福、幸福と、誰の口をついて出てくるのも、またいつの世も結局は最終的に語られるのは人間の幸福ではないでしょうか。 したがって、ここではまず、何がいったい幸福なのか、幸福とはどのようなものなのか、そして不幸とはどのような状態を指すのかにつき現実的に考えてみましょう。 まず、幸福についてです。 ① 身体が健康である。または、いままで病弱だったが最近、健康になった。 ② 精神が安定しているか、いままで精神が不安定だったが近ごろ安定するようになった。 ③ 積極的で行動力がある。あるいはいままで消極的だったのが積極的になった。 ④ 自分の適性に適った職業についている。もしくは、今は適性に合った仕事に就いている。 ⑤ 現在の仕事や勤務先に将来性があり未来に希望が持てるか、希望が持てるようになった。 ⑥ 家庭が平和である。または最近、平和になった。 ⑦ 配偶者と相性がいい。または今は相性がよい。 ⑧ 配偶者は健康である。あるいは今は健康になった。 ⑨ よい子供に恵まれている。または今は恵まれるようになった。 ⑩ 人や情報やカネやモノに恵まれている。または、今は恵まれるようになった。 ⑪ 運勢が全般的に安定していると思う。もしくは、今は安定するようになった。 ⑫ 親兄弟の助けがある。あるいは、親兄弟の援助が得られるようになった。 ⑬ 周囲の人間関係が良い。または、最近、人間関係がよくなった。 などなど、数えあげたらきりがありませんが、これらはみな、人間生活における現実的な「福」に属する事柄でしょう。 また禍のほうは、 ① 身体が健康でない。もしくは、今まで健康だったが近ごろ病弱になった。 ② 精神が安定していない。または、今までそうでもなかったが最近、すぐイライラしたり、落ち着かなくなった。 ③ 積極的で行動力がない。または、今まで積極的だったが今はそうではなくなった。 ④ 自分の適性に適った職業についていない。 ⑤ 現在の仕事や勤務先に将来性がなく、未来に希望が持てない。 ⑥ 家庭が平和でない。もしくは近ごろ平和でなくなった。 ⑦ 配偶者と相性が悪い。あるいは、以前はよかったが今はよくモメる。 ⑧ 配偶者は健康でない。または以前は健康だったが、このごろはよくグズグズ言う。 ⑨ よい子供に恵まれない。または以前はそうでなかったが近ごろは子供の素行が悪くなって心配ごとが一つ増えた。 ⑩ 人や情報やカネやモノに恵まれていない。または最近、恵まれないようになった。 ⑪ 運勢が全般的に安定していない。もしくは、最近不安定になった。 ⑫ 親兄弟の援助がない。または、最近、それがなくなった。 ⑬ 周囲の人間関係が悪い。あるいは、最近、ことごとにギスギスするようになった。 などなど、数えあげたらきりがありませんが、これらはみな人間生活における現実的な「禍」に属する事柄です。 このほか、独身者には当然、結婚が気になるところであるし、学生なら試験の合否、第一希望先への就職、公務員とか会社員であれば昇格とか昇任、あるいは住宅の購入、不意の出費や損害、事故・怪我、入院・手術、配偶者や親兄弟の発病や死亡などなど、人生の禍福はまさに糾(あざな)える縄の如しです。 人間の願望はもともと極めてアバウトです。だからいつもただ漫然と幸福の青い鳥を脳裏に描いて、あちらにフラフラ、こちらにフラフラしているのが現実ではないでしょうか。 このように禍福の実態を具体的な事項にまとめ机上に乗せてこそ、はじめて禍福の問題が語れるのです。 とにかく人間の欲望にはかぎりがないので、現在、たとえ福の条項に多数かなっていても、まだまだあれも欲しい、これも欲しいの日常になりがちなので、ほどほどのところで満足する気持ちを養わなければ、いつまでたっても心に平安がよみがえることはないでしょう。
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